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株式会社の作り方|設立の流れ7ステップと費用をわかりやすく解説

「株式会社を作りたいけど、何から始めればいいのか分からない…」

そんな方も多いのではないでしょうか。

株式会社の設立の主な3つのステップ

  • 定款の作成と認証
  • 資本金の払込み
  • 登記申請
定款(ていかん)とは

定款とは、会社の商号や本店所在地などを記載した、会社の基本的なルールを定める書類です。

ただし、実際にはこれ以外にも、会社で使用する印鑑の準備や本店所在地の確保、登記申請後の各種届出など、いくつかの手続きが必要になります。

また、株式会社の設立には会社法上のルールがあり、それに沿って複数の書類を準備しなければなりません。

会社設立の手続きは手間がかかるのは事実ですが、ポイントを押さえれば自分で行うことも可能です。

あらかじめ流れを理解しておくことで、専門家に依頼する場合でも、どこまで任せてどこを自分で対応するか判断しやすくなります。

この記事では、株式会社設立の流れについて、

  • 事前準備から設立後の届出までを含めた7つのステップ
  • 設立にかかる費用

を、わかりやすく解説します。

これから会社設立を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

株式会社設立の全体の流れ【7ステップ】

1.基本事項の決定会社名(商号)、事業目的、本店所在地、資本金などを決めます。
2.定款を作成する「定款(ていかん)」は会社のルールをまとめた基本的な書類です。会社法に則って記載する必要があります。
3.定款の認証を受ける作成した定款を本店近くの公証役場にて認証を受けます。
4.資本金を払い込む発起人個人(1名)の口座へ資本金の払込を行います。
※設立前のため、法人名義の口座はまだ作れません。
5.役員を決定・調査する取締役や監査役を決定し、会社財産の内容や手続きに不備がないか調査します。
6.登記を申請する登記書類を作成し、法務局へ登記申請します。
7.設立後の届出を行う税務署・都道府県・市町村へ各種届出が必要です。
発起人(ほっきにん)とは

発起人とは、会社を設立することを決めて、実際に手続きを進める人(または法人)のことです。

株式会社の設立には、一般的に定款の作成から登記申請までで2〜3週間程度かかります。
※本店所在地の確保や商号の決定などの事前準備期間は含まれていません。

また、設立に必要な費用は、おおよそ20〜25万円程度です。

なお、会社の設立日は、法務局に登記申請を行った日(登記書類を提出した日)となります。

株式会社設立の各手順

ここでは、各手順についてより詳しく見ていきます。

基本事項の決定

会社名(商号)、事業目的、本店所在地、発起人、資本金などを決定します。

これらの内容は定款や登記に必要となるため、あらかじめ整理しておくことで、その後の手続きをスムーズに進めることができます。

本店所在地を確保しておく

株式会社の設立には本店所在地の登記が必要なため、あらかじめ物件を確保しておきます。

設立前は法人名義で契約できないため、発起人個人の名義で契約します。

後に法人へ名義変更することになるため、事前に大家や管理会社へ相談し、了承を得ておくと安心です。

商号の調査・決定

商号は原則自由に決められますが、いくつかルールがあります。
(例:『株式会社』の表示が必要、使用できる文字の制限、同一住所での同一商号の禁止など)

事前に商号調査を行うことで、スムーズに設立手続きを進めることができます。

主な確認方法は以下のとおりです。(すべて無料で利用できます)

確認方法特徴
国税庁法人番号公表サイトを利用する法人に付けられる「法人番号」を検索・確認できる国の公式サイトです。
登録不要で気軽に検索できます。
登記・供託オンライン申請システムを利用する会社の登記申請や不動産登記などをインターネット上で行える法務省の公式サービスです。
事前に申請者情報の登録(無料)が必要です。
法務局の窓口で調査する最も確実に確認できます。

最終的には、管轄の法務局で直接確認すると安心です。

発起人の実印を用意する

定款の認証や登記申請に必要な書類には、発起人の実印による押印が求められます。

また、あわせて発行後3ヶ月以内の印鑑証明書の提出も必要となります。

そのため、あらかじめ発起人の実印を用意し、印鑑登録を済ませておくと、手続きをスムーズに進めることができます。

※印鑑証明書は、市区町村で発行される『実印が本人のものであることを証明する書類』です。

法人代表印を作成する

法人代表印は、会社の実印として法的な手続きに使用される重要な印鑑です。

会社設立時には、登記申請の際に法務局へ印鑑届出を行う必要があるため、あらかじめ作成しておきましょう。

なお、一度登録すると変更手続きが必要になるため、長く使うことを前提に作成しておくことが大切です。

会社で使用する主な印鑑には、次のようなものがあります。

印鑑の種類用途
代表印(実印)法務局に届け出る印鑑で、契約書など重要な書類に使用します。
銀行印法人口座開設時に届け出る印鑑。
社印(会社角印)請求書・見積書などに使用。

代表印と銀行印は同じものを使用することも可能ですが、紛失や不正利用のリスクを考慮し、用途ごとに分けて作成するのが一般的です。

定款を作成する

定款とは、会社の商号や本店所在地などを記載した、会社の基本的なルールを定める書類です。

会社法では、必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」と、記載は任意であるものの、定めなければ効力が認められない「相対的記載事項」などが定められています。

なお、絶対的記載事項が欠けている場合、定款は無効となるため注意が必要です。

定款に記載する内容

絶対的記載事項

目的、商号、本店の所在地、設立時の出資額(資本金)、発起人の氏名・住所

相対的記載事項

発行可能株式総数、現物出資する場合はその内容と金額、設立費用、株式譲渡制限、広告方法など

定款の事業目的は、銀行融資や補助金申請、許認可申請の際に確認される重要な項目です。

記載されていない事業については、許認可が取得できない場合もあるため、将来行う可能性のある事業も含めて適切に設定しておくことが重要です。

定款の作り方

定款は、自分で作成することも、専門家に依頼することも可能です。

自分で作成する

費用を抑えられ、自分の事業に合わせて柔軟に内容を検討できます。
一方で、不備があると修正の手間がかかるほか、将来の事業や許認可に影響する可能性があります。

専門家に依頼する

費用はかかりますが、法令に沿った正確な定款を作成でき、事業内容に応じた適切な設計が可能です。

紙定款と電子定款の違い

定款には、書面で作成・提出する方法(紙定款)と、PDF形式で作成し電子署名を付けて提出する方法(電子定款)があります。

紙定款は、収入印紙4万円を貼付する必要があります。

一方、電子定款は収入印紙が不要となるため、印紙代4万円を節約することができます。

電子定款を作成するためには、PDF編集ソフトに加え、電子署名を付与するための専用ソフトやプラグインが必要です。
また、マイナンバーカードとICカードリーダーも必要となるため、事前に準備しておきましょう。

定款の認証を受ける

作成した定款は公証役場に提出して認証を受ける必要があります。

認証手数料は、資本金の額などに応じて次のとおりです。

  • 資本金100万円未満:3万円
  • 資本金100万円以上〜300万円未満:4万円
  • 資本金300万円以上:5万円

以下のすべてを満たす場合は1万5,000円となります。

  • 発起人が全員自然人で、かつ3人以下であること
  • 発起人が設立時発行株式のすべてを引き受ける旨の記載があること
  • 取締役会を設置しないこと

また、紙定款の場合は収入印紙代4万円が必要となります(電子定款の場合は不要です)。

さらに、登記申請や法人口座の開設で使用するため、定款の謄本(または同一情報の書面)を取得しておきます。

その際の手数料は、1通あたり約2,000円程度(1枚250円×数枚)です。

資本金を払い込む

定款の認証後、発起人の口座へ資本金の払込みを行います。
※設立前のため、法人名義の口座はまだ作成できません。

一人で設立する場合でも、実際に資金が払い込まれたことを証明するため、払込みは必要です。

発起人が複数いる場合は、そのうちの一人の口座に各発起人が資本金を払い込みます。

払込み後は、以下の書類を用意します。

  • 払込みを行った銀行口座の通帳のコピー
    (ネット銀行の場合は、銀行名・口座名義人・払込日時・入金額が確認できる画面を印刷)
  • 払込みがあったことを証する書面(法人代表印を押印)

これらの書類をまとめて綴じ、法人代表印で契印を行います。
※法人代表印は、登記時に法務局へ届け出る会社の実印と同じ印鑑です。

また、登記申請時に提出する書類ではありませんが、会社法により、株式の払込みを行った株主について「株主名簿」を作成し、本店に備え付けておく必要があります。

役員を決定・調査する

資本金の払込みが完了した後は、設立時取締役(設立時に取締役となる者)を選任(決定)し、必要に応じて代表取締役を定めます。

設立時取締役は、会社法に基づき、役員が要件を満たしているかの調査を行います。

主な確認内容は以下のとおりです。

  • 出資の履行: 全員がちゃんとお金を払い込んだか(通帳のコピー等で確認)
  • 定款の内容: 法律に違反する項目がないか。
  • 現物出資の妥当性: パソコンなどの現物出資があれば、その評価額が不当に高く設定されていないか(現物出資がある場合のみ「調査報告書」を作成)。
  • 役員の適格性と就任承諾: 就任する者が欠格事由(法律上の不適格)に該当せず、本人が就任を承諾しているか(就任承諾書の確認等)。

なお、現物出資がある場合は、原則として検査役の調査が必要です。※一定の場合で省略可能(現物出資の総額が500万円以下など)

登記申請にあたっては、以下の書類が必要です。

  • 役員の就任承諾書
  • 印鑑証明書

これらの手続がすべて完了すると設立手続は完了し、ここから2週間以内に登記申請を行う必要があります。

期限を過ぎても登記は可能ですが、設立時取締役に過料が科される可能性があるため注意が必要です。

登記を申請する

必要書類がそろったら、本店所在地を管轄する法務局に会社設立の登記申請を行います。

申請は、窓口への持参のほか、郵送やオンラインでも可能です。

登記申請には、定款や払込を証する書面、役員の就任承諾書などの書類が必要となります。

また、登録免許税として、株式会社の場合は「資本金の額×0.7%」または15万円のいずれか高い金額がかかります。

登記が完了すると、会社が正式に成立します。

登記申請で提出する書類
  • 登記申請書
  • 登記すべき事項(CD-R等の光ディスク または 別紙)
    ※会社の基本情報(商号・所在地・社員・代表社員など)を記載したもの
  • 登録免許税納付用台紙
  • 定款
  • 役員の選任を証する書面(発起人決定書など)
  • 本店所在地を決定したことを証する書面
  • 取締役・代表取締役・監査役の就任承諾書
  • 印鑑証明書(発起人・役員等)※発行から3ヶ月以内のもの
  • 本人確認証明書(必要な場合)
  • 払込があったことを証する書面
  • 印鑑届書

※会社の設計内容によっては、上記以外の書類が必要となる場合があります。

「〜を証する書面」や「決定書」などは、決まった様式があるわけではなく、内容に応じて自分で作成する書類です。

インターネット上で検索するとひな形や記載例が多数あるので、参考にするとイメージがつきやすいかと思います。


「登記すべき事項」は、「登記ねっと(申請用総合ソフト)」を使って事前にオンラインで送信することも可能です。
この方法を使えば、従来必要だったCD-Rなどの提出が不要になります
送信した場合は、登記申請書の備考欄などに「登記すべき事項はオンラインで送信済み」と記載します。

登記の補正について

登記申請後、書類の不備や記載内容に誤りがある場合、法務局から「補正」の連絡が入ることがあります。

補正とは、不足している書類の提出や内容の修正を求められる手続きのことです。

軽微なミスであれば電話で指示を受け、その場で対応できる場合もあります。

補正が必要な場合は、指定された期限内に対応する必要があり、対応が遅れると申請が却下される可能性もあるため注意が必要です。

登記完了の確認方法

登記が完了したかどうかについて、法務局から完了の連絡が来ることは原則としてありません。

そのため、申請者自身で登記の完了を確認する必要があります。

確認方法としては、法務局の窓口やオンラインで登記事項証明書(履歴事項全部証明書)を取得する方法が一般的です。

登記事項証明書が取得できるようになっていれば、登記が完了していることを確認できます。

また、オンライン申請を行った場合は、申請システム上で処理状況を確認することも可能です。

設立後の届出を行う

会社設立後の主な届出先は、税務署・年金事務所・都道府県・市町村の4つです。

ただし、従業員を雇用する場合などには、労働基準監督署、ハローワークへの手続きも必要となります。

税務署への届出

書類名届出が必要なケース添付書類提出期限
法人設立届出書設立した法人全て定款などの写し設立日から2ヶ月以内
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書人を雇用する場合なし設立日から1ヶ月以内
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書・従業員が常時10人未満
・源泉所得税の納付を毎月から年2回の納付に変更したい場合
なし随時
青色申告の承認申請書青色申告をする場合なし以下のいずれか早い日
・設立日から3ヶ月以内
・最初の事業年度終了日の前日まで

なお、会社の状況に応じて、上記以外にも届出が必要となる場合があります。

例えば、消費税の課税事業者となる場合(資本金1,000万円以上で設立した場合など)や、適格請求書発行事業者(インボイス制度)の登録を受ける場合などには、別途届出や申請が必要です。

※消費税の課税事業者となる要件は他にもあります。

年金事務所への届出

書類名届出が必要なケース添付書類提出期限
健康保険・厚生年金保険 新規適用届
会社を設立し、役員報酬の支払いが始まる場合(社長一人の場合も含む)法人番号指定通知書のコピー(または登記事項証明書の原本※発行から90日以内のもの)事実発生(設立や報酬支払開始)から5日以内
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届・社員が役員報酬を受け取る場合
・常時雇用する従業員を雇い入れた場合
原則マイナンバーや年金手帳など事実発生(就任や採用)から5日以内
健康保険 被扶養者(異動)届配偶者や子供などを扶養に入れる場合続柄が確認できる書類(住民票など)、収入確認書類(非課税証明書など)
※16歳未満は一部省略可
事実発生(設立や扶養事由の発生)から5日以内
保険料口座振替納付(変更)申告保険料を窓口納付ではなく口座振替にしたい場合(実務上はほぼ必須)なし(ただし銀行の確認印が必要)特に定めはないが、初回の支払いに間に合わせるため速やかに提出する必要あり

なお、協会けんぽ(全国健康保険協会)ではなく、特定の健康保険組合(IT系なら「関東ITソフトウェア健康保険組合」など)に加入したい場合には、別途、該当の健康保険組合への届出も必要となります。

都道府県・市町村への届出

書類名届出が必要なケース添付書類提出期限
法人設立届出書(地方税用)
設立した法人すべて・定款の写し
・登記事項証明書(履歴事項全部証明書)の写し
など
自治体によって異なる

都道府県および市町村には、それぞれ法人設立に関する届出書を提出します。

なお、書類の名称や様式は自治体ごとに異なる場合があるため、提出先ごとに確認が必要です。

届出は、都道府県・市町村のどちらかではなく、それぞれに提出が必要です。

会社設立にかかる費用

株式会社の設立には、最低でも約20万円〜25万円程度の費用がかかります。

主な内訳は以下のとおりです。

項目金額
登録免許税資本金の額×0.7% または15万円のいずれか高い金額
定款用の認証手数料100万円未満:3万円(※表欄以下に該当する場合は1万5,000円)
100万円以上300万円未満:4万円
300万円以上:5万円
定款の謄本手数料紙で作成したとき 2000円程度
250円 ×(定款のページ数 + 認証書)
定款の収入印紙代紙の定款:4万円
電子定款:0円
その他の費用・募集設立の場合、払込保管証明書約2万5000円
・代表者印の作成費用
・印鑑登録証明書代
・専門家に依頼する場合はその報酬代

認証手数料が引き下げられる条件(以下の全てを満たす場合)

  • 資本金額が100万円未満
  • 発起人が自然人かつ3人以内
  • 定款に設立時の発行株式の全部を発起人が引き受ける旨の記載がある
  • 取締役会を設置しない

参照:「日本公証人連合 公証人手数料令の一部を改正する政令の公布について」

費用を抑えるポイント

電子定款を利用することで収入印紙代4万円が不要となります。

また、自分で手続きを行うことで専門家への報酬を抑えられます。

電子定款を利用する場合は、以下のものを準備する必要があります。

  • 電子証明書(マイナンバーカードなど)
  • ICカードリーダー
  • PDF署名ソフト

電子定款は収入印紙代を節約できるが、環境づくりが必要です。

【まとめ】株式会社設立のポイント

株式会社の設立は、手順や必要書類が多く、一見すると複雑に感じるかもしれません。

しかし、全体の流れを理解し、一つひとつ順番に進めていけば、自分で手続きを行うことも可能です。

設立の主な流れは、事前準備から設立後の届出まで7ステップで紹介しましたが、大きく見ると以下の3ステップが中心となります。

  • 定款の作成・認証
  • 資本金の払込み
  • 登記申請

また、設立後には一定の期限内に税務署や年金事務所、自治体への届出が必要となるため、あらかじめスケジュールを把握しておくことが重要です。

費用については、最低でも約20万円〜25万円程度かかり、電子定款を利用することで一部を節約することもできます。

会社設立の手続きは、インターネットや書籍を参考に自分で行うことも可能です。

ただし、法律に関わる手続きのため、一定の手間や時間がかかります。

少しでも負担を減らし、これからの事業に集中したい場合は、専門家に依頼することも一つの選択肢です。

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