株式会社と合同会社、どっちがいい?11項目で違いと選び方を解説

「株式会社と合同会社って、結局どっちを選べばいいの?」

会社を設立しようと考えたとき、多くの人がここで迷います。

ネットで調べても、「費用が安いのは合同会社」「信用が高いのは株式会社」など情報がバラバラで、結局どちらが自分に合っているのか分かりにくいですよね。

結論からいうと、

コストを抑えて小さく始めたいなら合同会社信用や将来の拡大を重視するなら株式会社がおすすめです。

この記事では、

  • 株式会社と合同会社の違いを分かりやすく比較
  • それぞれのメリット・デメリット
  • あなたに合った会社形態の選び方スト

をまとめています。

この記事を読めば、「なんとなく」で選んで後悔することなく、あなたに合った会社形態を自信を持って決められるようになります。

目次

【結論】株式会社と合同会社の違い 

株式会社と合同会社の違いをひとことで言うと、「所有(出資者)と経営を分けられるかどうか」です。

株式会社では、所有者は株主、経営は取締役が担う仕組みになっています。

発起人1人で設立する「一人社長」の場合でも、法的には株主と取締役は別の役割として扱われ、いわば一人二役の状態になります。

また、取締役や監査役などの機関設計についても、会社法で一定のルールが定められており、組織としての形が整えられています。

一方、合同会社は、出資者と経営者が同一の「持分会社」です。

出資した人がそのまま経営を行うため、利益配分や権限の設定などを柔軟に決めることができます。

この仕組みの違いから、それぞれ次のような特徴があります。

株式会社資金調達がしやすく、対外的な信用が高い
その反面、設立費用や運営コストがかかり、意思決定に手間がかかることがあります。

合同会社低コストで設立でき、意思決定がスムーズでスピーディーな経営がしやすい
一方で、対外的な信用面でやや劣る場合があり、資金調達方法が限定的で大規模な事業展開には不向きとされることもあります。

株式会社の特徴

株式会社は、組織的な運営と高い信用力を特徴とする会社形態です。

株主総会と取締役を基礎とする

株式会社は、株主総会と取締役によって運営されます。

  • 株主総会:会社の基本方針や重要事項を決定する  
  • 取締役:株主総会で決まった経営方針に沿って経営を行う 

 このように、出資者(株主)と経営者(取締役)を分けることで、組織としての体制が整い、対外的な信用が高まりやすいのが特徴です。

※一人で会社を設立する場合は、株主と取締役を兼ねることになりますが、法的には出資者と経営者は別の役割として扱われます。

会社法で定められた機関設計(ルールがある)

株式会社では、取締役や監査役などの設置について、会社法で一定のルールが定められています。

例えば、取締役は1人でも設置できますが、取締役会を設置する場合は監査役などの機関を設ける必要があります。

このように、制度としての枠組みが決まっているため信頼性は高い一方で、自由度はやや低いといえます。

コストの負担

株式会社は、設立時に定款認証が必要なため、20〜25万円程度の費用がかかります。

また、設立後も決算公告や役員変更登記などがあり、一定のコストと手間が発生します。

そのため、小規模で始める場合や売上が安定するまでは、負担に感じることもある点に注意が必要です。

公開会社と非公開会社

株式会社には、「公開会社」「非公開会社」があります。

  • 公開会社:すべての株式に譲渡制限(会社の承諾が必要)がある
  • 非公開会社:上記以外(※1株でも制限のなければ該当)

公開会社は資金調達の自由度が高く、事業拡大に向いています。

一方、非公開会社は出資者を限定できるため、経営の安定を図りやすいのが特徴です。

なお、中小企業の多くは非公開会社を選択しています。

合同会社の特徴

合同会社は、コストを抑えつつ、自由度の高い会社設計ができる会社形態です。

出資者と経営者が同一

合同会社は、出資者(社員)自身が経営を行う会社形態です。

株式会社のように「出資者」と「経営者」を分ける仕組みではなく、出資した人がそのまま経営にも関わるのが特徴です。

そのため、意思決定がシンプルで、スピーディーに経営判断ができるメリットがあります。

機関設計の自由度が高い

合同会社には、株式会社のような機関設計のルールはほとんどありません。

取締役や株主総会といった仕組みもなく、会社の運営方法を比較的自由に決めることができます。

そのため、少人数での運営や、小規模なビジネスに向いています。

###コストを抑えられる
合同会社は、株式会社と異なり定款認証が不要なため、設立費用は約6〜10万円程度と低く抑えられます。

また、決算公告の義務もないため、設立後の維持コストも比較的少なく済みます。

そのため、初期費用やランニングコストを抑えたい場合に適しています。

利益配分を自由に決められる

合同会社では、出資額に関係なく、利益の分配割合を自由に決めることができます。

株式会社では原則として出資割合(株式数)に応じて配当が決まりますが、合同会社では柔軟に設定できるため、貢献度に応じた分配などが可能です。

※利益配分や役割分担については、後のトラブルを防ぐためにも定款に明記しておくと安心です。

株式会社と合同会社の違い【一覧比較】

株式会社と合同会社を11項目で比較

これまで見てきた内容をもとに、株式会社と合同会社の違いを一覧で整理しました。

項目株式会社合同会社
特徴信用・資金調達に強い低コスト・自由度が高い
出資者と経営分離一致
定款認証必要不要
設立費用高い(20万円〜25万円程度)安い(6万円程度〜10万円程度)
ランニングコストかかる(決算公告・役員変更登記など)少ない
社会的信用高いやや低い
利益配分出資比率に応じる自由に決められる
機関設計細かなルールがある柔軟に決められる
役員任期あり(非公開会社なら最長10年)なし
決算公告必要不要
向いている人事業拡大・資金調達を目指す人小規模・副業・自由な経営をしたい人

株式会社は役員の任期満了ごとに変更登記が必要になるため、手間と費用がかかります

ここまでの比較から、株式会社と合同会社は「信用・成長を重視するか」「コスト・自由度を重視するか」という違いがあることが分かります。

どちらを選ぶべきかは、事業の目的によって変わります。

  • 将来的に事業を拡大したい、資金調達も視野に入れている  
    株式会社がおすすめです
  • まずは低コストで始めたい、副業や小規模でスタートしたい  
    合同会社がおすすめです

設立にかかる費用

設立にかかる費用は、株式会社で20〜25万円程度合同会社で6〜10万円程度が目安です。

主な費用の内訳を簡単にまとめました。

内訳株式会社合同会社
登録免許税資本金×0.7% または 
15万円の高い方の金額
資本金×0.7% または 
6万円の高い方の金額
定款用の認証手数料100万円未満:3万円(※1万5,000円で済む場合あり)
100万円以上300万円未満:4万円
300万円以上:5万円
認証不要
定款の謄本手数料紙で作成したとき 2000円程度
250円 ×(定款のページ数 + 認証書)
取得する必要がない
定款の収入印紙代紙の定款:4万円
電子定款:0円
紙の定款:4万円
電子定款:0円
その他の費用・募集設立の場合、払込保管証明書約2万5000円
・代表者印の作成費用
・印鑑登録証明書代
・代表者印の作成費用
・印鑑登録証明書代
※認証手数料が引き下げられる条件

以下の全てを満たす場合は認証手数料は1万5,000円ですみます。

  • 資本金額が100万円未満
  • 発起人が自然人かつ3人以内
  • 定款に設立時の発行株式の全部を発起人が引き受ける旨の記載がある
  • 取締役会を設置しない

参照:「日本公証人連合 公証人手数料令の一部を改正する政令の公布について」

ただし、こちらは設立に発生する最低限の主な費用です。

実際には、印鑑の作成費用や印鑑証明書の取得、定款作成や登記手続きを専門家に依頼した際はその報酬費用も必要となります。

そのため、実際にはもう少し余裕を持って資金を準備しておくのがおすすめです。

株式会社と合同会社のよくある質問

Q1. 合同会社は信用が低いって本当?

株式会社に比べると知名度が低いため、やや信用面で不利になる場合があります。

ただし、近年は合同会社も増えており、取引や融資において必ずしも大きな問題になるとは限りません。

また、ホームページを充実させて実在性や事業性を確認できるようにする、実績を積み上げていくことで信用を上げていくことも可能です。

Q2. あとから株式会社に変更できる?

合同会社から株式会社へは「組織変更」という手続きで移行できます。

そのため、最初は合同会社でスタートし、事業の成長に合わせて株式会社へ変更するという選択もあります。

ただし、法務局での組織変更登記が必要となり、手続きや費用がかかる点には注意が必要です。

Q3. 税金は株式会社と合同会社で違いがある?

基本的な法人税の仕組みは同じです。

ただし、役員報酬の決め方や利益配分の柔軟さなど、運用面で違いがあります。

Q4. 一人でも設立できる?

株式会社・合同会社ともに1人で設立可能です。

実際に、個人事業から法人化する際に一人で設立するケースも多くあります。

Q5. どちらの方が設立手続きは簡単?

設立手続きは、合同会社の方が簡単です。

定款認証が不要で、設立費用も低いため、手続きの負担を抑えてスタートできます。

株式会社と合同会社で迷ったときの3つの視点

株式会社と合同会社のどちらを選ぶべきか迷ったときは、以下の3つの視点で考えるのがポイントです。

「取引相手」は誰か

  • 一般消費者(個人の顧客)
  • IT・Web制作会社
  • フリーランス系(デザイナー・ライター)
  • 小規模EC会社

合同会社でも十分対応できます。

(会社形態よりも、サービス内容や実績が重視される傾向があります)

  • 大手企業や保守的な企業
  • 金融・不動産
  • 建設業
  • 役所  

株式会社を選ぶのが無難です  

(信用や実績に加え、会社形態も重視される傾向があります)

資金をどう集めるか

  • 自分の貯金や銀行融資のみ → 合同会社でも十分対応できます  
  • 投資家からの出資や上場を目指す → 株式会社を選ぶ必要があります  

合同会社だからといって、銀行融資が大きく不利になるわけではありません。  

銀行は、資本金の額や事業内容、経営の透明性などを重視して判断する傾向があります。  

一方で、出資を広く募る場合や上場を目指す場合は、株式会社の仕組みが前提となります。

人材はどう集めるか

  • 個人・家族経営 → 合同会社でも十分対応できます  
  • 外部からの採用に力を入れる → 株式会社を選ぶ必要があります  

求職者は会社の信用や安心感を重視する傾向があるため、外部から優秀な人材を採用したい場合は、株式会社の方が有利に働くことがあります。

合同会社から始めて組織変更するのもあり

  • まだ事業の方向性がはっきり決まっていない  
  • 対外的な信用は気になるが、上場予定はない  
  • スモールスタートで始めたい  

このような場合は、まず合同会社でスタートし、事業の成長や状況に応じて株式会社へ組織変更するという方法もあります。  

株式会社は設立費用だけでなくランニングコストもかかるため、今の状況を整理し、「今の自分に合った形」を選ぶことが大切です。

【会社設立の流れ】主な3ステップ

会社形態が決まったら、次は設立手続きに進みます。

主な流れは、以下の3ステップです。

  • 定款の作成
  • 資本金(出資金)の払込み
  • 登記申請

ただし、株式会社の場合は定款の作成後に「定款認証」を受ける必要があります。

それぞれの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。

【まとめ】会社形態は事業の目的やフェーズに合わせる

株式会社と合同会社の違いは、「信用・成長を重視するか」「コスト・自由度を重視するか」にあります。

将来的に事業を拡大したい、資金調達や採用を重視したい
株式会社がおすすめ

まずは低コストで始めたい、自由度高くスモールスタートしたい
合同会社がおすすめ

また、最初は合同会社でスタートし、事業の成長に応じて株式会社へ組織変更するという選択も可能です。

大切なのは、「どちらが正解か」ではなく、事業の目的やフェーズに合っているかどうかです。

この記事の内容が、「自分にはどの会社形態が合っているのか」と考える際の参考になれば幸いです。

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